【自主管理をされているマンションの方向け】管理組合の会計業務について徹底解説
管理組合の会計業務ってとても大変ですよね。
管理会社に委託しているマンションの場合は、管理会社が全部やってくれるけど、自主管理のマンションでは管理組合の人たちでやらないといけません。
会計業務を担当していて、ご苦労されている方も多いのではないでしょうか?
「分からないことがあっても一体誰に相談したら良いか分からない」
お困りごとを抱えている方も多いのではないかと思います。
今回は管理組合の会計業務がテーマです。
会計を担当されている方はもちろん、これから会計を担当する可能性がある方も、ぜひ最後までお読みください。
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INDEX
管理組合の会計業務
そもそも管理組合の会計業務は、なんのためにやっているのでしょうか?
また、法的な義務や会計基準のようなものはあるのでしょうか?
たとえば企業であれば、会社法や法人税法などによって目的や会計基準が定められています。
では、管理組合の場合はどうでしょう?
管理組合に関係する法律では以下のように定められています。
① 区分所有法
区分所有法には会計に関する記載は特にありません。
② マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)
マンション管理適正化法の第5条には「管理組合はマンションをしっかりと管理するために国や地方自治体が行う管理の改善策にも協力する必要があり、住民も管理組合員の一員として適切な役割を果たすよう努力しなければならない」と書かれています。
さらに「マンション管理適正化指針」には「管理組合は管理費や修繕積立金などお金を明確に分けたうえで徴収し、きちんと経理をすることが必要。管理者は必要な書類を作って保管し、住民からの要求があればすぐに開示することで経理の透明性を確保しなければならない」との内容があります。
つまり、適切にお金を管理することが努力義務として定められているものの、法的な義務や、会計基準に関する記載はないのです。
③ マンション標準管理規約
国土交通省が公開しているマンション標準管理規約第48条には「お金の収入・支出の計算や、活動の報告書を承認するためには総会の決議が必要で、予算決めや将来の計画に関しても総会の決議が必要」との旨が記載されています。
また、第59条には「理事長は毎年のお金の収入・支出の計算書を監査してもらい、通常総会で報告し、みんなの承認を得る必要がある」と記載されています。
収支予算や決算に関して総会の決議を経たり、監事の監査を受けたりするためには、当然ながら予決算に関する会計書類を作成する必要があります。
なお、標準管理規約はあくまでも国土交通省がモデルとして示しているものであり、法的な強制力はありません。
すべてまとめると以下のとおりです。
- 管理組合の会計に関する法的根拠はない
- 会計基準も存在しない
- 標準管理規約には会計に関する記述がある
- 標準管理規約に即した管理規約を定めているマンションでは規約を根拠として会計書類を作成している(と考えられる)
- 管理組合運営において、適切な会計業務を行うことは重要と考えられているため、たいていのマンションでは決算書類を作成している
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管理組合の会計業務の内容
管理組合の会計業務は大きく分けると以下に分類されます。
- 管理費等の徴収業務
- 管理組合口座からの支払い業務
- 収支計算書や貸借対照表などの決算書類の作成業務
一つずつ見ていきましょう。
管理費などの徴収業務
管理費や修繕積立金を各区分所有者から集める業務ですね。
徴収方法としては以下の方法があります。
徴収方法 | 収納代行会社を活用 | 指定金融機関からの引落し | 持参や訪問による回収 |
---|---|---|---|
概要 | 収納代行会社に引落しを依頼する方法 | ○○銀行○○支店の口座から引き落とす方法で、最寄りの金融機関が指定になるケースが多い | 住民に直接持ってきてもらうか、訪問して徴収する方法 |
メリット | ・引落口座選択の自由度が高い ・残高不足による引落し失敗の可能性が低い | ・持参や訪問による回収と比べると楽 | ・収納のための費用がかからない |
デメリット | 費用がかかる | ・指定された支店で口座の開設ができず、結局振り込み対応になることもある ・メイン口座にしておらず引き落としに失敗する可能性がある | ・規模が大きいところだと管理しにくい ・手間がかかる |
費用 | 100円~150円/件 | 100円~150円程度/件 | − |
管理組合口座からの支払い業務
業者への支払いを行う業務ですね。
清掃や点検、修繕などを実施した業者さんから請求著が届いたら支払い手続きをするだけなので、作業としてはさほど複雑ではありません。
しかし、支払い方法によっては時間をかなり割かれてしまいます。
管理組合が支払いを行う場合の方法が大きく分けると以下のとおりです。
支払い方法 | 窓口で支払い | 銀行のATMで振り込み | インターネットバンキングで支払い |
---|---|---|---|
概要 | 銀行の窓口で支払う方法 | 銀行やコンビニのATMで支払う方法 | 銀行のインターネットバンキングを契約し、パソコンやスマホから支払う方法 |
メリット | 通帳と印鑑の管理者を分けることで管理組合内部の不正出金防止になる | 窓口での支払いよりは効率的な支払いが見込める | ネット上でできるため、時短になる |
デメリット | 銀行の営業時間中に窓口に行かないといけない | ・不正出金リスクが発生する ・盗難などのリスクが考えられる | パスワードなどの管理が大変 |
必要なもの | 通帳と印鑑 | キャッシュカード | 専用の電子証明書など |
収支計算書や貸借対照表などの決算書類の作成業務
こちらが会計業務のなかで最も大変な業務でしょう。
貸方・借方、仕訳、摘要など。会社で経理を経験された方や、簿記を勉強したことのある方以外にはあまりなじみのない言葉がたくさん出てきます。
そのため、会計担当理事の方は同じ人がずっと何年も担当しているというマンションも多くあるようです。
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徴収業務、決算書類作成業務の大変なところ
「ただお金を回収するだけでしょ?」
「書類を作るだけじゃない」
など考える方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
しかし、これらの業務は本当に大変なのです。
徴収業務が大変な理由
管理費を振り込んでくる方がいると、通帳を記帳し、誰が振り込んでいて、誰が未納なのかをチェックする必要があります。
場合によっては次回までにその情報を反映しておく必要もあるでしょう。
お仕事などをしながら片手間で行うにはかなり骨の折れる作業です。
また、駐車場や駐輪場などは利用状況に応じて徴収する金額が変動します。
当然ながら区分所有者の変更があれば請求相手も変わります。
このあたりの情報を正確に把握し、正しく徴収し続けるのはかなり大変な作業と言えるでしょう。
決算書類作成業務が大変な理由
ちょうどよい会計ソフトがない
通常、管理組合の会計区分は少なくとも「管理費会計(または一般会計等)」と「修繕積立金会計(または特別会計等)」に分かれています。
各区分所有者の口座から引き落とす段階では当然まとめて徴収するため、それらを管理費○○円、修繕積立金○○円、というように会計区分ごとに仕訳する必要があります。
(管理組合によって異なります)
市販されている会計ソフトなどは、一般企業や個人事業主向けのため、複数の会計がある場合に対応していないことも。
かといって会計ソフトを使わずにExcelなどで決算書類を作成するのも非常に大変です。
ミスも発生しやすいですし、あまりおすすめはできません。
管理費等の入金処理が煩雑
多くの管理組合では「現金主義(現金が発生した段階で経理する)」ではなく「発生主義(金銭の実際のやり取りではなく、経済的な活動が発生した時点で経理する)」の考え方を採用しています。
そのため入金時期よっては仕分け処理を変える必要があることも。
また、入金の時期だけでなく、振込をした人に滞納金があるのかないのかによっても処理が異なるため、振込入金者が多いとかなり神経を使う作業なのです。
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管理組合会計に関してよくある質問
会計を担当している方から、たまに会計処理に関するご質問をいただくことがあります。
一部をご紹介しますので、同じような疑問をお持ちの場合は参考にしてみてください。
Q1:大規模修繕工事が年度内に完了したが、請求書が未着。この場合、未払計上が必要ですか?
A1:発生主義を採用している場合は、未払計上するのが望ましいです。
Q2:当管理組合は3月末決算です。共用部の水道料金が3月15日に確定したが、引き落とし日は翌期である4月以降となる。この場合は未払計上が必要ですか?
A2:発生主義を採用している場合は、未払計上するのが正しいと言えます。
しかしながら、企業会計においても重要性の低い場合は、現金主義(支払時に費用計上)を併用することも容認されていますので、4月以降に費用計上する形でも弊害はありません。(そういった処理をしている管理組合の方が多いと思われます)
Q3:保険対応の工事を行った場合、どのような会計処理が適切ですか?
A3:選択肢として、保険金と修繕費を相殺するか、保険金を収入にし、修繕費を費用として計上することが考えられます。
仮に保険金を受け取れなかったとしても修繕をした事実は変わらないことや、保険対応工事があったこと自体が不明瞭となってしまうため、後者が望ましいと言えます。
Q4:損害保険料を5年分一括で支払ったが、どのような処理が適切ですか?
A4:発生主義を採用している場合は、支払った保険料を期間で案分し、計上することが望ましいです。
具体的には当期分のみ費用計上し、翌期以降分は前払金で処理することになります。
会計業務だけ引き受けてくれる管理会社はあるの?
「会計業務が大変なので、プロに任せたい。でも管理会社に管理を全部委託すると、とても費用が高くなるので、会計だけやってくれるところはないかな?」
そのようなお声をよくお聞きします。
結論から言うと、会計業務だけを引き受けてくれる管理会社もないわけではありません。
しかし会計業務の大変さから解放されるメリットはあるものの、当然ながら委託すると費用が発生します。
マンションの状況によっては各世帯から徴収する管理費の値上げが必要となる場合も考えられますし、一度管理会社に委託してしまうと、元に戻すのは容易ではなくなります。
管理組合内で十分に議論したうえでの判断が必要です。
管理会社以外でも、マンション管理士事務所なども会計業務を引き受けてくれる場合がありますので、あわせて検討することをお勧めします。
(弊社でそういったマンション管理士をご紹介することも可能です)
会計理事の強い味方、マンション管理アプリ「クラセル」について
弊社のマンション管理アプリ「クラセル」は、唯一無二の管理組合向けのアプリです(スマホアプリだけでなく、パソコンでの操作も可能)。
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会計業務がとても楽になるでしょう。
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支払いは申請・承認と2人の確認を通して行われるので、不正防止にもなります。
なんといっても決算書を作る必要がなくなることがクラセル導入の最大のメリット。
管理費などの入金状況や、支払いデータから自動で決算書類を作成します。
それ以外にも区分所有者の名簿管理機能や、発注先管理機能、共用部管理機能など、便利な機能がたくさんあり、たくさんの管理組合の方々から「クラセルを導入してとても楽になった」とお喜びの声をちょうだいしています。
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最後に
自主管理をされているマンションにとって最も大変なのは会計業務かも知れません。
労力もさることながら、管理組合によっては数千万円~数億円規模となる資産の管理を行う訳ですから重要であることは言うまでもありません。
「とにかく会計業務が大変なので効率化したい」
「会計はプロに任せたいけど、委託する費用が安いところを紹介して欲しい」
など、お困りの方はぜひお気軽にご相談下さい。