マンションは何年持つ?平均寿命や長持ちさせるために大切なことなどを解説

マンションって何年くらい持つの?
50年くらいって本当なの? 寿命を迎えたらどうするの?

マンションにお住まいの方や、これから購入を検討されている方なら、このような疑問を持たれたことがあるのではないでしょうか。

今回はマンションの平均寿命や、マンションを長持ちさせる方法などについて解説していきます。

マンションの平均寿命

現時点では、マンションの寿命に関する確固たるデータは残念ながら存在しません。

国土交通省が公表しているマンション建て替えの実施状況(2023年4月1日時点)によると「建て替えの準備中」「建て替え中」「工事完了済み」のマンションが合計282件あります。

これらのマンション全てが、寿命を迎えてからの建て替えなのかは定かではありません。

また、すでに建て替えを実施したマンションが建築された当時と現代では、建築技術のレベルや耐震基準も大きく異なるため、あまり参考にならないのが現実です。

一般的には、きちんとメンテナンスや修繕工事をしていればマンションは100年持つと言われています

しかし、データに基づく詳細な見解が得られるのは、まだ先の話になるでしょう。

法定耐用年数と寿命は意味が違う

寿命と混同されがちな言葉として「法定耐用年数」というものがあります。

これは、会計上で減価償却費を計上できる期間のことを指します。

鉄筋コンクリート造、または鉄骨鉄筋コンクリート造の建物の場合、法定耐用年数は47年とされています。

あくまでも会計上の考え方のため、実際にマンションが何年持つのか、という基準にはならないかもしれません。

また、耐用年数には他に「物理的耐用年数」と「経済的耐用年数」というものがありますが、寿命と近しい意味を持つのは物理的耐用年数とされています。

物理的耐用年数:物理的に建物が利用できる期間のこと
経済的耐用年数:建物に経済的な価値が残っている期間のこと

マンションの寿命に影響する要素

マンションの寿命に影響を与える要素は、主に以下の4つに分類されます。

①耐震基準
②メンテナンスの状況
③コンクリートの質
④立地条件

一つずつ確認していきましょう。

① 耐震基準

1981年に施行された「新耐震基準」では、震度6強から7程度までの地震でも建物が倒壊しないようにと定められました

一方、新耐震基準以前に建築された建物は「旧耐震基準」に準拠しています。
旧耐震基準では震度5強程度の揺れに耐え得ることが基準です。

地震大国と呼ばれる日本では、震度5強の地震の発生は珍しくありません。

何度も耐震限界に近い揺れを経験すると、どんなに頑丈な建物であっても負担が積み重なり、寿命に影響します。

よって、旧耐震基準か新耐震基準かでマンションの寿命は大きく変わると言えるのです。

② メンテナンスの状況

マンションの寿命は、定期的なメンテナンスの仕方によって大きく変わってきます。

12年~15年ごとに行う大規模修繕工事で必要な修繕が適切に行えていれば問題ありませんが、修繕積立金が不足していると、満足のいく工事ができないケースがあります。

修繕積立金が足りない(=適切な修繕ができない)マンションでは、少しずつ老朽化が進み、予想よりも早く寿命を迎える恐れがあります

関連記事:マンション大規模修繕の工事内容について。トラブル対策なども解説

③ コンクリートの品質

マンションの寿命は、物件の外壁に使われるコンクリートの強度によっても左右されます。

耐久性の高い建材が使用されていれば、その分寿命も長くなります。
特に、マンションの場合はコンクリートの品質が寿命に大きく影響します。

マンションではセメントに対して水の比率が低いものを使用しており、鉄筋を包むコンクリートの厚みがある場合は、ひび割れが起きにくく、鉄筋がさびにくくなります。

コンクリートの技術は進化し、昔のものと比べると品質が大きく向上しているため、一般的には築年数の古いマンションほど寿命は短いと言われています

④ 立地条件

マンションの寿命は、物件の立地条件にも影響されます。

例えば、海に近い場所では塩害のリスクがあります。
塩害とは、塩分が原因で植物が枯れたり、鉄筋が腐食したりする現象です。

海風や潮風が届く範囲にあるマンションは、塩分を含んだ風に長期間さらされることになり、配管などが腐食する可能性があります

そのため、マンションの寿命が短くなってしまうかもしれません。

マンションの長寿命化に大切なこと

マンションを少しでも長持ちさせるには、定期的な修繕が欠かせません。

「修繕を適切な時期に行う」ためには、十分な修繕積立金が必要です。 

しかし、近年では修繕積立金の不足により修繕が難しくなっているマンションが増えており「必要な修繕はしたいけど、資金が足りないからできない……」という問題が浮上しています

このような事態を避けるためには、長期修繕計画を見直してみることをおすすめします。
必要に応じて修繕積立金の増額も検討しましょう。

マンションをできる限り長持ちさせるためには、適切な修繕を計画的に行い、そのための資金を確保することが不可欠です。

修繕積立金が不足しないよう、手遅れになる前にしっかりと確認と準備をしておきましょう。
マンションがまだ新しいうちに対策を講じることが重要です。

ここ数年、修繕積立金の値上げが必要なのに、値上げができないという状況に陥っているマンションの話をよく耳にします。

修繕積立金の値上げは総会での承認が必要で、反対が多ければ実現しません。

最近は、あらゆるモノの値段が上昇していますので少しでも支出を抑えたいと考える方が多くなるのは当然のことでしょう。

  

しかし、修繕積立金が不足すると、マンションの状態が悪化してしまう可能性があります。

そこで、管理費会計の見直しをおすすめします。

管理費会計で浮いた費用を修繕積立金に回すことができれば値上げの幅を抑えたり、値上げ自体を回避することができるかもしれません。

何年も管理費会計を見直したことがない、というマンションはぜひ検討してみてください。

関連記事:マンション大規模修繕とは?その費用や目安について解説!

関連記事:クラセルを活用した4つの管理方式を詳しく解説

まとめ

お住まいのマンションの寿命について、先の見通しを立てるのは難しいかもしれませんが、1年でも長持ちさせるために必要なことははっきりしています。

それは、しっかりと修繕積立金を確保しておくことです。

修繕積立金を確保するために行うべきポイントは以下の通りです。

  • 長期修繕計画や修繕積立金について、まずは現状を確認する
  • 修繕積立金の値上げを回避、または値上げ幅を抑えるために管理費会計のコスト削減を検討する
  • 今後の工事については、全てセカンドオピニオンを取ることを理事会内のルールにする
  • 修繕積立金の値上げが必要な場合は、問題を先送りにせず、少額でも値上げを行う(総会に議案を上程する)。

また、管理費会計の見直しを行い、浮いたお金を修繕積立金に回すという選択肢も非常に有効です。

  • 清掃や点検の実施頻度を削減できないか検討する
  • 管理会社を通している業務委託先を直接発注に変え、中間マージンをカットして、費用削減を図る
  • 低価格な管理会社に変更する
  • 管理業務の一部を自主管理に切り替え、コスト削減を図る

などのポイントが考えられます。

マンションの状況に応じて、対策の優先順位は異なりますが、これらのテーマに取り組むことは重要です。

「うちのマンションはまだ大丈夫」と思わず、上記で挙げたポイントをもとに今から行動を起こすことをおすすめします。

早めに寿命を迎えてしまっているマンションは、主に築40年~50年のものが多いと言われています。

これらのマンションは10〜20年前に適切な対策を講じていれば、今も健全な状態を維持している可能性が高いのです。

1年でも長くマンションをもたせるためには、できる限り早めに対処することが重要です。

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