クラセルを活用した4つの管理方式を詳しく解説

「クラセルを活用した管理方式について詳しく教えてほしいです」
「うちのマンションにはどの方式が合いますか?」

こういったご要望やご質問をいただくことがあります。
現状の管理体制を変更するなら、それぞれの方式の特徴や違いをしっかり把握してから移行したいですよね。

今回は、クラセルを活用した4つの管理方式について詳しく説明します。
これを読んで、クラセルの導入に踏み切っていただければ幸いです。

クラセルを活用した管理方式は全部で4つ

クラセルを活用した管理方式は以下の4つです。

① クラセル方式
② サポート方式
③ 管理会社方式
④ クラセル第三者管理方式

① クラセル方式

クラセルを活用して自主管理を行う方式です。

もともと自主管理をしていたマンションで、特に多く採用されています。

管理会社に委託していたマンションであっても「30戸以下の小規模マンションで自主管理に移行しやすい」「もともと住民の管理に対する意識が高い」などの場合、この方式を採用されるケースもあります

管理会社に委託していたマンションの場合、この方式がもっともコスト削減効果が大きいためです。

② サポート方式

クラセル方式にマンション管理士さんや会計代行会社のサポートをつける方式です。

例えば、管理委託費を削減するために自主管理へ切り替えようと考えていても、今まで管理会社に任せていたことを自分たちでできるのかと不安になっている方も多いでしょう。

そういう場合にはこの「サポート方式」がおすすめです。

マンション管理の主体はあくまでも管理組合です。
管理会社に任せていたことを自分たちでやりながら、専門家のアシストを受けることができるため安心して自主管理に切り替えることができます

「管理費用は抑えたいけど、完全な自主管理はちょっと無理かも」

そうお考えのマンションに多く採用されています。

管理費の徴収や決算書類の作成などの会計関連業務は、理事会の方々がクラセルで効率的に行い、理事会・総会業務はマンション管理士さんのサポートを受ける、というパターンが多いです。

弊社が紹介するマンション管理士さんの多くはクラセルの入力サポート業務も対応できるため安心です。

③ 管理会社方式

弊社の提携先の管理会社がクラセルを活用して効率的な管理を行う方式です。
一般的な管理会社による総合管理との違いは以下の通りです。

一般的な管理会社の場合クラセルを活用した管理会社方式の場合
管理組合口座から支払いの承認作業紙ベースで承認クラセル上で承認
管理組合口座からの支払い通帳と印鑑を使い、銀行窓口で支払い手続きクラセル上で支払い実行
管理組合口座の入出金状況管理会社が通帳を保管しているため管理会社に聞かないと分からないクラセル上でいつでも確認可能
月次収支報告書の作成会計システムを使って作成クラセルが自動作成
月次収支報告書の管理組合への提出翌月末までに理事長へ郵送月初にはクラセル上で閲覧が可能なため郵送不要
駐車場などの共用部分の契約状況管理会社に聞かないと分からないクラセル上でいつでも確認可能
理事会や総会業務管理会社が支援
清掃や点検などの建物管理業務管理会社が受託
滞納督促やトラブル対応管理会社が対応

管理会社はクラセルを活用することで効率的に管理業務を行うことができるため、その分管理委託費を抑えることができます。

管理組合の方々もクラセル上で色々な情報がタイムリーに確認できますので、利便性が向上します。

クラセル方式と比べるとコスト削減効果は下がってしまいます。
しかし中規模以上のマンションで、自主管理は難しいと感じていらっしゃる方々に多く採用されています

管理会社方式の場合は、今までの管理体制を大きく変えるというよりは、管理会社の変更(一般的には「リプレイス」と言われています)に近い感覚です

リプレイスによって管理コストがこれだけ下がります、という提案であれば多くの管理組合員の方は賛成票を投じてくれます。総会で否決されることはほとんどないでしょう。

④ クラセル第三者管理方式

こちらは他の3方式とは大きく異なり、管理組合運営を丸ごとプロに委託してしまう方式です。

管理組合の方で理事を引き受ける必要がなくなります。
理事会も開催されないため、管理組合の方々の負担は大きく軽減されるでしょう。

最近は管理会社が第三者管理方式で受託するケースも増えていますが、この場合、利益相反問題がネックとなります

クラセル第三者管理方式の場合は、管理者の役目を、清掃や工事業務などを請負わない立場のマンション管理士事務所に委託することを推奨しているため、利益相反問題は解消されます

また、第三者管理方式の場合、情報がブラックボックス化し、管理組合の方々が収支状況や管理費の未納状況などが全く分からなくなってしまうということが起きやすいケースを不安点として挙げる方もいらっしゃいます。
しかしクラセルを活用することでその点も解消されます。

クラセル第三者管理方式は、高齢者や館外に居住している区分所有者が多く、役員を引き受けてくれる方が少ないマンションにはおすすめの方式です。

関連記事:新しいマンション管理の選択肢!第三者管理方式の導入メリットとデメリット

各方式で管理組合がやることの違いは?

それぞれの方式ごとの各業務の実施者の違いは次の通りです。

なお、サポート方式については、一般的なケースを記載しています(サポート業務を委託するマンション管理士や会計代行会社との契約によって差異が生じる場合があります)。

クラセル方式サポート方式管理会社方式クラセル第三者管理方式
管理費などの徴収管理組合申請はマンション管理士
承認は管理組合
管理会社外部管理者
管理組合口座からの支払い管理組合申請はマンション管理士
承認は管理組合
申請は管理会社
承認は管理組合
外部管理者
区分所有者の変更や共用部の契約状況の変更など管理組合申請はマンション管理士
承認は管理組合
管理会社外部管理者
決算書類の作成クラセルが自動作成
予算案の作成管理組合マンション管理士管理会社外部管理者
クラセルで対応する業務
クラセル方式サポート方式管理会社方式クラセル第三者管理方式
理事会運営管理組合マンション管理士がサポート管理会社がサポート理事会は開催しない
総会運営管理組合マンション管理士がサポート管理会社がサポート外部管理者
清掃や点検など建物維持管理業務総合ビルメンテナンス会社または専門業者管理会社総合ビルメンテナンス会社または専門業者
管理費などの督促管理組合
(別途オブションメニュー有)
マンション管理士管理会社外部管理者
クラセル外の業務

どの方式がうちのマンションにあっているの? 各方式の内容についてご理解いただけたところで、実際にどのようなマンションにどの方式がおすすめなのかを紹介します。

マンションの形態おすすめ管理方式理由などの補足事項
30戸以下の小規模マンションクラセル方式またはサポート方式小規模マンションなら自主管理がしやすい上、管理コストを抑えることが可能
長年自主管理をしてきたマンションクラセル方式・役員の方々の負担軽減や属人化解消が見込める
・クラセル利用料の負担は増えるものの、役員の方々に発生する「見えない人件費」を考えれば導入効果は大きい
50戸程度の中規模マンションで今まで管理会社に委託してきており、かつ管理組合の管理に対する意識が高いマンションクラセル方式またはサポート方式管理に対する意識が高いマンションなら問題なく運営できるでしょう
50戸程度の中規模マンションで今まで管理会社に委託してきており、かつ管理組合の管理に対する意識があまりないマンション管理会社方式管理会社に全部お任せ、理事会欠席者が多いなどの場合、無理せずこれまで通り管理会社中心の管理体制継続が無難
100戸超の大型マンションで、これまでずっと管理会社に委託してきたマンション管理会社方式
役員のなり手がおらず、理事会が成立しづらくなっているマンションクラセル第三者管理方式
規模に関係なく、修繕積立金が大幅に不足しているなど、資金状況が非常に厳しいマンションクラセル方式一定規模以上となると役員の負担は大きい可能性がある
現状の管理会社に対してだけでなく、管理会社全体にネガティブな印象を持っている人が多いマンションクラセル方式またはサポート方式

自分たちのマンションはこうだから必ずこの方式をしなければならない、ということは決してありません。

例えば、弊社のお客様の中には最大700戸超のマンションで、クラセル方式を運用されているマンションもあります。
今まで自主管理をしていた、などの経験があればできないことはありません。

しかし100戸を超えるマンションが、今まで管理会社に任せていたのに(クラセルを利用するとはいえ)自主管理へ切り替えるのは、負担が大きいと言わざるを得ないでしょう。

そのため、こういった場合まずは無難に管理会社方式でコスト削減を検討することをおすすめします。

関連記事:マンションの耐用年数は何年?耐用年数の延ばし方や減価償却との関係を解説!

関連記事:マンション管理の委託費用の相場とは?

4つの方式に関するよくあるご質問

この章ではよくあるご質問を紹介します。

Q:うちのマンションは高齢者が多く、スマホが苦手な気がします。その場合は管理会社方式が良いのでしょうか?

A:クラセルを操作するうえで特段高いITスキルは必要ありません。
また、理事会の方全員がクラセルを使いこなせないといけないわけではありませんので、どの方式であっても十分対応可能です。

参考記事:マンション管理支援アプリ「クラセル」の機能のご紹介 高齢者でも使えるって本当?

Q:サポート方式のマンション管理士ってどういう人なの?

A:都道府県ごとのマンション管理士会に所属している方がほとんどです。

なお、事前に弊社が面談などを行い、問題なくお客様にご紹介できると判断したマンション管理士さんをご紹介しています。

Q:管理会社方式の管理会社はどんな会社があるのでしょうか? また、管理組合側で自由に選べるのでしょうか?

A:大手管理会社から中小管理会社まで様々な会社と提携しています。
お客様の状況をお聞きしたうえで、最適と思われる管理会社を選定し、提案させていただいています。

Q:今の管理会社にクラセルを使ってもらって管理会社方式にしてもらうのは可能ですか?

A:管理会社との協議が必要となります。業務効率化をしたいと考えている管理会社であれば対応が可能な場合もありますので一度ご相談ください。

おわりに

今回は、4つの方式に関する詳細の説明でした。

クラセル方式やサポート方式は、管理会社に業務を委託されてきたマンションの場合だと、これまで管理会社がやっていた業務の一部を管理組合側で実施することになります。
そもそも管理会社の中で実施していた業務であるため、なかなか理解が追い付かないかもしれません。

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