【クラセルをご検討中の方向け】クラセル導入に向けた管理組合内の合意形成の進め方を解説

今回のテーマは管理組合における合意形成についてです。

「自分は現状の管理運営体制がベストとは思っておらず、クラセルの導入を検討したいと考えています。でも、他の理事に話をしても反応が悪く、検討が進められずにいるんです」

こういったご相談をいただくことがあります。

今回はそのようなお客様向けに向けて、弊社がアドバイスしている「合意形成の進め方」について解説していきます。

他の理事の反応がいまいちの場合の主な理由4選

  1. 他の理事の方たちの管理に関する当事者意識が低いパターン
  2. 今の管理体制を変えることに抵抗があるという意見が多いパターン
  3. クラセル=スマホアプリ=高齢者がいるから無理でしょと門前払いされてしまうパターン
  4. クラセル=自主管理アプリ=自主管理なんて無理と言われてしまうパターン

それぞれのパターンごとの対応策を説明していきます。

1. 他の理事の方たちの管理に関する当事者意識が低いパターン

「理事会にあまり出席しない」

「出席してもほとんど発言がない」

「嫌々役員をやっている」

こういった方は結構多くいらっしゃるようです。

役員はできればやりたくないと考える方が多いでしょうから、当然かもしれませんね。

では、こういった方たちに「今の管理体制を変える必要がある」ということを理解していただくためにはどうしたら良いでしょうか?

パターンA:今の管理会社の問題点をあげ、他の管理会社への変更を検討すべきと提案する

これがオーソドックスな進め方です。

しかし、今回のように他の理事の方たちの管理に対する意識が低い場合は、有効でない場合があります

そもそも管理組合活動に対する興味が薄いため、管理会社の問題点に対し実感を持っておらず、共感してもらえない可能性があります。

パターンB:管理会社を変更することで、管理費用が安くなる可能性を示唆する

管理に関する意識が低い方が多い場合は、こちらのアプローチの方が有効です。

マンション管理に関する興味が薄くても、自分たちが支払う管理費については、関心を持っている方が多いからです。

管理体制の変更や、管理会社の変更ありきで話を進めるのではなく、まずは「いろいろと話を聞いてみよう」「他の管理会社の見積もりも取得してみよう」というスタンスで話をし始めることをおすすめします。

実際に見積もりを取得し、今よりも管理費用が大幅に下がるということが分かると無関心層の方たちも一気に賛成に回る場合が多いです。

関連記事:【管理組合役員は必見】管理会社の変更手順とその注意点

2. 今の管理体制を変えることに抵抗があるという意見が多いパターン

竣工当時から同じ管理会社がずっと管理をしている場合や、管理員さんが住民からとても好かれている場合など、今の管理体制を変えることについて反対意見が出ることがあります。

こちらも基本的には1のケースと同様の対応となります。

今の管理会社の問題点や管理費用が安くなる可能性について示唆し、見積もりを取得する流れで話を進めていくことをおすすめします。

1のケースと同様、管理費用が下がることが分かると、それまで反対だった人が賛成に回ってくれることも多いようです。

また「管理会社の変更を検討するのは良いけど、管理員さんは変わってほしくない」というご要望が多い場合ですが、新旧管理会社と管理員さんとの話し合いによって、管理員さんの雇用を新管理会社に引き継げることがあります。

旧管理会社からすると、自社でその管理員さんの雇用を継続しても、他のマンションでの仕事の空きがなければ持て余してしまいます。

管理員さん自身もそのマンションに愛着がある場合は、所属先の管理会社が変わっても問題ないと考えるケースが多いようです。

よって、もし管理員さんの雇用継続を望む声が多く、それにより管理会社変更の検討が進まない場合は「管理員さんの雇用継続を前提に検討を進める」と言ってあげると反対派の方々にも安心してもらえます

3. クラセル=スマホアプリ=高齢者がいるから無理でしょと門前払いされてしまうパターン

こちらも良くあるパターンです。

こういった意見が多い場合は以下のお話をしていただくと効果的です。

  • 一般の区分所有者の方々はクラセルにログインする必要はなく、役員の方だけでOK
  • 役員全員がクラセルを使いこなせるようになる必要はなく、最低2名の方が操作できれば問題ない
  • クラセルの操作は、会計担当理事権限の申請と理事長権限の承認によって処理がなされるが、必ずしも理事長がクラセル上の理事長権限を持つ必要はない(高齢の理事長に代わって副理事長がクラセル上の操作を実施している例も多い)
  • それでも心配な場合は、サポート方式や管理会社方式を選択すれば、誰か1名の承認役さえいればOK(承認は月に2回の支払実行時のみ)

クラセルを導入いただいているマンションの平均築年数は38年です。

竣工当時からお住まいの方で、新築時は30歳だったとすると70歳近い方が多いということになります。

クラセルの操作自体はさほど難しくありませんのでこういった事例をお話いただくのも有効かもしれませんね。

関連記事:マンション管理支援アプリ「クラセル」の機能のご紹介 高齢者でも使えるって本当?

4. クラセル=自主管理アプリ=自主管理なんて無理と言われてしまうパターン

クラセルは自主管理アプリ、という訳ではないのですが、そのようなイメージを持たれる方も多いようです。

長い間管理会社に管理を委託してきたマンションで、それも総戸数が100戸を超えるようなマンションの場合は、自主管理に移行しようとしてもなかなかハードルが高いでしょう。

実際は決してやれないわけではないですが、漠然とした不安感が付きまとう心情も理解できます。

そのような意見が多い場合は、最初から管理会社方式を前提に話を進めましょう。

管理会社方式であれば、管理組合側の負担は現状とほぼ変わらず、管理コスト削減が期待できます

関連記事:クラセルを活用した4つの管理方式を詳しく解説

短期的な目線よりも長期的な目線で

マンションはちゃんとメンテナンスをすれば100年持つとも言われています。
そのため、マンション管理は長期的な目線で考える必要があります。

「無関心層の多いマンション」はさほど築年数が経過していないマンションに多く見受けられます。

一方、築年数が30年を超えるようなマンションは、管理に対する意識が高い方が多いような印象があります。

こういった傾向になってしまう理由は以下の通りです。

【築浅のマンション】

  • 役員経験者が少ないため、管理組合側の管理に関する知識が乏しい
  • まだマンションがさほど古くないため、あまり切羽詰まっていない
  • 住民の年齢層が若く、将来売却するかもと考えている人もおり、意識が希薄化しがち

【築古のマンション】

  • 役員経験者が多い(複数回役員を経験した方も多く、管理組合側も知識が豊富)
  • 修繕箇所が多く、修繕積立金も不足しがち
  • 住民の高齢化が進み、終の棲家として考えている方が多く、当事者意識がより高い傾向に
  • 住民の高齢化が進み、年金生活世帯の割合も増えており、コストに対する意識がシビア

築古マンションになった際、最も困るのは「修繕しなければならない箇所がたくさんあるが、修繕積立金が不足していて修繕ができない状況に陥ること」です

あちこちで漏水事故が起き、生活に支障をきたす場合もあります。
非常階段の手すりがサビつき、住んでいる方たちに身の危険を及ぼす場合もあります。

中には外壁の落下の恐れが生じることもあります。

万が一落下した際に通行人がいたら大惨事です。

どのようなマンションにおいてもこうなってしまう可能性はゼロではありません。

早いうちから手を打っていれば防げたものも、マンションが古くなってからではすでに手遅れというケースも多く見受けられます。

誰だって自分のマンションが老朽化してしまうのは嫌ですし、避けたいと思うでしょうから無関心層の気持ちを動かすにはこの部分をアピールするのも良いでしょう。

このような場合にご活用していただくために弊社ではマンガを作成しております。

以下からダウンロードできますのでぜひご活用下さい。

まずは理事会の方々に配布するのをおすすめします。
なお、マンガの複数部の印刷・郵送のご希望がございましたらお気軽にその旨お問い合せください。

老朽化マンション対策のマンガのダウンロードはこちら

関連記事:老朽化マンション問題とは?あなたのマンションもいずれ迎える老朽化。今のうちにできることとは?

管理組合の総意を確認するにはアンケートも有効

合意形成を進めるにあたり、賛成派と反対派に意見が分かれることがよくあります。

その際、いわゆる声の大きい人の意見に引っ張られてしまうことも往々にしてありますが、大切なのは「管理組合としての総意は何か」という点です。

マンションに住んでいる方は年代や職業、家族構成などバラバラで、それぞれ考えも異なります。
人によって重要視するところはさまざまでしょう。

今の管理費が高いと感じており、多少サービスが低下しても良いから管理コストを抑えたいと考えている人。

とにかく役員を引き受けるのが嫌なので、管理費が上がったとしても理事会がまわってこない第三者管理方式に移行した方が良いと考えている人。

前者の意見を尊重するならば、安い管理費を売りにしている会社に相談すべきですし、後者を尊重するなら第三者管理方式が可能な管理会社に相談すべき、ということになります。

どっちが正しくてどっちが誤り、というものはありません。そういった議論は避け、管理組合の総意を確認しましょう。

管理組合における意思の決定は多数決で行われます。

「管理組合のメンバーの多くがこう考えている」

これが管理組合としての総意です。

総意を確認する方法としては、アンケートが有効です。
昨今はWeb上でアンケートができるツールもありますが、紙ベースでの実施が多いようです。

アンケートのひな型を以下からダウンロードできますので参考にしてみてください

アンケートのひな型ダウンロードはこちら

おわりに

いかがでしたでしょうか?

ご自身のマンションにおける合意形成について参考になれば幸いです。

合意形成の進め方以外でも気になる点やご不明点などありましたらお気軽にご相談ください。

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