クラセルの導入事例をご紹介
「クラセルを導入するマンションはどんどん増えているって聞いたけど、導入したマンションの人たちはどんな風に管理運営をしているの?」
こういったご質問をいただくことがあります。
今回は既にクラセルを導入したマンションの方々の検討に至ったきっかけや、導入後の様子などいくつかの事例をご紹介します。
クラセルの導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
INDEX
クラセルの導入のきっかけは大きく分けると3つある
クラセル導入を検討したきっかけは主に以下の3パターンに分類されます。
- 管理会社から管理委託費の値上げ要請があった
- 管理会社に対して不満がある
- 今まで自主管理をしてきたが、負担に感じている
管理会社から管理委託費の大幅な値上げ要請があった
「次の契約更新の際は、管理委託費の値上げをお願いします」
「えっ? どのくらいですか?」
「この金額になります」
「えっ・・・こんなに? じゃあ管理費も上げないとダメってこと?」
「そうなります」
最近はこんなやり取りも珍しくなくなってきました。
世の中のさまざまなモノの物価が上昇しているため「管理費の値上げは避けたい」と考えるのは当然のことです。
管理会社からの管理委託費の値上げ要請をきっかけにクラセルの導入を検討する、というパターンが非常に増えてきています。
管理会社に対する不満
依頼事項に対する反応が遅い、ミスが多い、管理組合にとって有益な提案をしてくれない、自社の利益のことばかり考えていて、やたらと工事の提案ばかりしてくる……そういったことがきっかけで管理会社の変更を検討されるケースが非常に多く見受けられます。
管理会社の変更(リプレイス)を検討する際は、管理コストの削減も目的の一つとなることが多いため、クラセルの導入も検討案にあがることがよくあります。
また、弊社では管理会社がクラセルを活用して効率的に総合管理を行う「管理会社方式」というプランも提案できるため、リプレイスを検討されている管理組合様とは相性が良いのです。
今まで自主管理をしてきたが、負担に感じている
自主管理のマンションの場合、管理費の徴収も、業者さんへの支払いも、決算書類の作成も全て管理組合の方々で実施する必要があります。
これらの作業はとても大変です。
なかには仕事を休んで管理組合業務を行っているといった方もいらっしゃいます。
かといって管理会社に委託をすると、今の管理費では賄えなくなるため、仕方なく自主管理を続けているケースも。
そんな管理組合の方にとってクラセルはとても役に立ちます。
管理費の徴収も業者さんへの支払いもスマホで簡単にできるうえ、決算書類は自動作成されます。
クラセルを活用した4種類の管理方式
クラセル方式
クラセルを活用して自主管理を行う方式です。
もともと自主管理をしていたマンションで多く採用されています。
また、管理会社に委託していたマンションであっても「30戸以下の小規模マンションで自主管理に移行しやすい」「もともと住民の管理に対する意識が高い」といった場合、この方式を採用されるケースもあります。
管理会社に委託していたマンションの場合、この方式がもっともコスト削減効果が大きいからです。
サポート方式
クラセル方式にマンション管理士さんのサポートをつける方式です。
マンション管理の主体はあくまでも管理組合です。
「管理費用は抑えたいけど、完全な自主管理はちょっと無理かも」
そうお考えのマンションに多く採用されています。
管理費の徴収や決算書類の作成などの会計関連業務は、マンション管理士さんのサポートを受けながらクラセルで効率的に行い、理事会・総会業務もマンション管理士さんのサポートを受ける、というパターンが多いです。
弊社が紹介するマンション管理士さんの多くはクラセルの入力サポート業務も対応できるため安心です。
管理会社方式
弊社の提携先の管理会社がクラセルを活用して効率的な管理を行う方式です。
一般的な管理会社による総合管理との違いは以下の通りです。
一般的な管理会社の場合 | クラセルを活用した管理会社方式の場合 | |
---|---|---|
管理組合口座から支払の承認作業 | 紙ベースで承認 | クラセル上で承認 |
管理組合口座からの支払い | 通帳と印鑑を使い、銀行窓口で支払い手続き | クラセル上で支払い実行 |
管理組合口座の入出金状況 | 管理会社が通帳を保管しているため管理会社に聞かないと分からない | クラセル上でいつでも確認可能 |
月次収支報告書の作成 | 会計システムを使って作成 | クラセルが自動作成 |
月次収支報告書の管理組合への提出 | 翌月末までに理事長へ郵送 | 月初にはクラセル上で閲覧が可能なため郵送不要 |
駐車場などの共用部分の契約状況 | 管理会社に聞かないと分からない | クラセル上でいつでも確認可能 |
理事会や総会業務 | 管理会社が支援 | |
清掃や点検などの建物管理業務 | 管理会社が受託 | |
滞納督促やトラブル対応 | 管理会社が対応 |
管理会社はクラセルを活用することで効率的に管理業務を行うことができるため、その分管理委託費を抑えることができます。
管理組合の方々もクラセル上で色々な情報がタイムリーに確認できますので、利便性が向上します。
クラセル方式と比べるとコスト削減効果は下がってしまいますが、中規模以上のマンションで、自主管理は難しいと感じていらっしゃる方々に多く採用されています。
管理会社方式の場合は、今までの管理体制を大きく変えるというよりは、管理会社の変更(一般的には「リプレイス」と言われています)に近い感覚です。
リプレイスによって管理コストがこれだけ下がります、という提案なら多くの管理組合員の方は賛成票を投じてくれるため、総会で否決されることはほとんどありません。
クラセル第三者管理方式
こちらは他の3方式とは大きく異なり、管理組合運営を丸ごとプロに委託してしまう方式です。
管理組合の方々は理事を引き受ける必要がなくなります。
理事会も開催されないため、管理組合の方々の負担は大きく軽減されます。
最近は管理会社が第三者管理方式で受託するケースも増えていますが、この場合、利益相反問題がネックとなるでしょう。
クラセル第三者管理方式の場合は、管理者の役目を、清掃や工事業務などを請負わない立場のマンション管理士事務所に委託することを推奨しているため、利益相反問題は解消されます。
また、第三者管理方式の場合、情報がブラックボックス化し、管理組合の方々が収支状況や管理費の未納状況などが全く分からなくなってしまうということが起きやすいケースもあるでしょう。
しかしクラセルを活用することでその点も解消されます。
クラセル第三者管理方式は、高齢者や館外に居住している区分所有者が多く、役員を引き受けてくれる方が少ないマンションにはおすすめの方式です。
関連記事:新しいマンション管理の選択肢!第三者管理方式の導入メリットとデメリット
クラセルの導入事例をご紹介
では実際にクラセルを導入したマンションの事例をご紹介していきます。
導入事例① 管理費の削減を目的にサポート方式に移行した例
マンションの所在地:千葉県 総戸数:100戸超のマンション
竣工以来、ずっと同じ管理会社に管理業務を委託していたマンションの事例です。
修繕積立金が大きく不足していることが判明しましたが、区分所有者の高齢化も進み、値上げを反対する声がとても多い状況でした。
そこで理事会で話し合った結果、自主管理に移行して管理コスト削減を図ろう、そして浮いたお金を修繕積立金にまわそう、という結論に至りました。
とはいえ、これまで何十年も管理会社に委託していたため、完全な自主管理はハードルが高いのでは?という意見があり、サポート方式の採用に至りました。
クラセル導入前 | クラセル導入後 | お客様の感想 | |
---|---|---|---|
会計関連業務 | 管理会社が実施 | マンション管理士がクラセルで申請し、理事長が承認 | |
理事会・総会 | 管理会社が支援 | マンション管理士が支援 | 従前とあまり変わりない |
建物維持管理業務 | 管理会社が受託 | 管理会社の下請企業がそのまま継続して実施 | 特段問題なし |
管理費の滞納対応 | 管理会社が対応 | マンション管理士が対応 | 専門的かつ、きめ細かい対応ができ、滞納額が大幅に減少した |
管理組合の方(主に理事長)が、クラセル上で何かを行う必要があるのは、おおむね以下の通りです。
頻度 | 必要な時間 | |
---|---|---|
管理費などの請求額の承認 | 月に1度 | 10分程度 |
業者への支払い承認 | 月に1~2度 | 10分程度 |
区分所有者の変更(売買や相続時など)の承認 | 半年に1度くらい | 10分程度 |
駐車場などの新規契約や解約の承認 | 半年に1度くらい | 10分程度 |
以上の通り、あまり大きなご負担なく運営できています。
このマンションでは、クラセル活用によって年間約370万円の管理費会計支出の削減ができました。
導入事例② 管理会社からの管理委託費の値上げ要請をきっかけに、クラセルの活用を検討。最終的に管理会社方式を採用した例
マンションの所在地:神奈川県 総戸数:約30戸のマンション
最近、非常に多く見受けられる事例になっている「管理会社からの管理委託費の値上げ要請パターン」の一例です
このマンションでは管理委託費の値上げを受け入れた場合、合わせて管理費の値上げをしなければならない状況でした。
管理会社に対して強い不満があった訳ではなかったようですが、値上げを回避するために他の管理会社への切り替えの検討がはじまりました。
いくつかの管理会社に問合せし、見積を取得したところ、クラセルを活用して効率的に管理業務を行う会社の金額が最安値となり、クラセルの導入と管理会社方式の採用が決定しました。
管理会社方式の場合、管理組合の方々は「管理会社が変更になった」程度の影響であるため、これまでと大きくは変わりません。
変更となった部分は主に以下の通りです。
1 管理組合口座からの支払いの際、理事長の承認はクラセル上で実施
(これまでは書面に理事長印を押印して承認)
2 月次収支報告書はクラセル上での確認
(これまでは書面で郵送)
なお、このマンションの場合、旧管理会社の値上げ要請前とほぼ同額の管理委託費で契約できました。
そのため、結果として管理費の値上げを回避することにつながりました。
導入事例③ 管理会社から契約更新をしない申し入れがあったことをきっかけに自主管理への移行を決め、クラセル方式を採用した例。
マンションの所在地:東京都 総戸数:10戸以下のマンション
こちらのケースも小規模マンションでよく起きている事例です。
小規模マンションの場合、管理会社から見ると得られる収益の低いマンションという位置づけとなるため、人手不足で対応できなくなった場合などは、契約を打ち切る対象になってしまうことがあります。
他の管理会社も同じように小規模マンションの管理は引き受けたがらないことが多いため、こういったマンションは強制的に自主管理に移行するしかなくなってしまいます。
こちらのマンションでは、困り果てていたところにクラセルの存在を知り、そのまま導入に至りました。
導入後は、役員の一人がクラセルの申請役となり、理事長が承認して支払い業務や管理費の徴収業務を実施しています。
小規模マンションということもあり、区分所有者の入れ替えや共用部分の契約解約もほとんど発生しないため、業務の負担はあまりないようです。
また、理事会や総会についても今のところ自分たちだけで十分対応できているようで、「元々自主管理でも良かったのでは?」という意見も出ているほどです。
導入事例④ 長年自主管理をしていたが、会計を担当する役員の業務負担が大きいという課題を解決するためにクラセルを導入した例(クラセル方式)
マンション所在地:東京都 総戸数:約100戸のマンション
これまで長い間自主管理をされてこられたマンションの事例です。
自主管理の場合、特に会計を担当される方の負担はとても大きいものです。
こちらのマンションではこれまで以下のような業務内容が発生していました。
①銀行に行き、業者さんへの費用の支払いを行う
不正出金防止や盗難防止のため、キャッシュカードは発行しておりませんでした。
つまりATMでの支払いは出来ないため、銀行の窓口に行く必要がありました。平日の15時までに行く必要があり、仕事を抱えながらの会計業務はとても負担が大きい状況でした。
②管理費の入金状況を確認するために銀行に行き、通帳を記帳する
この作業自体は①の支払いのついでに行っているので、さほど負担ではありませんが、大変なのは、記帳したあとです。
入出金の内容を一つ一つ精査する必要があります。
③管理費などの徴収を行うため、銀行や収納代行会社に請求データを送信する
この作業はとても大変です。全員が決まった金額をしっかり引き落としできていれば良いのですが、引き落としが出来なかった人が毎月数名発生していました。
その方が、もし次の引き落とし日までに振り込んでいたら加算せず、振り込みがなければ前月分を加算して送信しなければなりません。よって通帳を小まめに記帳し、入金状況をチェックする必要があるでしょう。
また、駐車場の新規契約や解約があれば請求する金額も変更する必要がありますし、部屋が売買され、区分所有者の変更あった場合も同様です。
引き落とし金額や請求相手を間違えてしますと、当然ながら過剰請求や過少請求となってしまいます。
お金に関することは特にミスが許されないため、かなり気を使いながら対応されていました。
④年度末に決算書類を作成する必要があるため、毎月の仕訳記録をExcelにまとめておく
この作業もとても大変な作業です。
会社の経理業務と比べれば管理組合の会計業務はそこまで複雑ではないものの、一定程度の経理知識が必要になります。
たとえば、管理費の振り込みがあった場合、振り込んできた時期、その人の滞納状況、入金の額によって仕訳が異なります。
前受金や未収金消込、貸方など、あまり一般の方には聞き馴染みのない言葉が出てくるため、どうしても詳しい方、慣れている方が会計業務を担当することになりがちです。
このマンションでも何十年も同じ方が会計業務を担当されていました。
クラセル導入後は、銀行に行く必要もなくなりました。
さらに管理費の徴収作業や決算書類の作成は、ほぼ自動化されたため、長年会計を担当されていた方の負担が大きく軽減されました。
これなら誰でも対応できそうだ、ということも分かり、翌年度は別の方が会計を担当することになりました。
つまり、会計担当者の負担軽減と属人化の解消という二つの課題が解決に至ったのです。
また、こういったマンションの場合、長年会計を担当されていた方から「もうやめたい」と言われてしまうことがあります。
その場合、選択肢としては管理会社などに業務を委託する、という可能性がありますが、当然ながらコスト増となってしまいます。
そういう意味では「会計担当者の負担軽減」「属人化の解消」に加え、「将来の管理コスト増リスクの回避」という効果も得られたわけです。
おわりに
今回はクラセルの導入事例についてでした。
ご検討の参考になれば幸いです。
また、もう少し詳しく話を聞いてみたい、という方はお気軽にお問い合わせくださいませ。