マンション敷地内の無断駐車は警察に通報?予防法や対処法も解説

マンションと無断駐車は切っても切れない関係です。

多くのマンションで敷地内への無断駐車が問題となっています。

実際、自分たちのマンションで無断駐車が発生した場合には、どういった対応をすればよいのでしょうか?

警察に通報? 
損害賠償金は請求できる?

など、マンションの無断駐車に関して気になる点や予防法や対処法について、今回は徹底的に解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

無断駐車とは?警察に通報すれば解決するの?

国土交通省が5年に一度の頻度で実施しているマンション総合調査(平成30年度)の結果によれば、19%の方が「違法駐車に関するトラブルが発生している」と回答しています。

思っていたよりも多く発生しているようですね。

 

マンションの敷地内において、駐車場ではない場所へ管理組合に無断で駐車されてしまうケースがあります。

ただ、マンションの敷地内は私有地なので、公道での駐車違反とは事情が異なります。

公道であれば違法駐車の車両を警察が道路交通法違反・駐車違反として取り締まることが可能です。

しかし、マンションの無断駐車については私有地であるため、原則的に警察が介入することはできません。

 

マンション内の無断駐車を警察に通報しても、積極的に解決してくれるわけではないのです。

こういった背景もあり、無断駐車はマンション管理のトラブルの中でも対応がとても難しい問題とされています。

関連記事:マンションの管理組合でよくあるトラブルとは?その解決法も解説

民事訴訟による損害賠償請求

「警察が介入できないなら、民事で損害賠償請求できないの?」

こういった疑問を抱く方もいらっしゃることでしょう。

もちろん、民事訴訟を提訴することは可能です。

ただしその場合、損害があったことを立証するのは、訴えを起こす側……、つまり管理組合です。

違法駐車されたことに起因して何らかの事故が起きた場合なら、その損害を主張できるかも知れません

逆に、特に事故も何も起きていない状態で、単に「停めてはいけないところに停めていた」というだけでは損害があったことを立証するのは困難でしょう。

無断駐車による弊害とは

定められた駐車場の区域外に駐車されると、人や車問わず通行の邪魔となったり、道路の見通しが悪化して人身事故の危険性が高まったりします。

たとえば、ちょうどその日がマンション内の点検や修繕、または住民の引っ越しなど、なんらかの作業を予定している日だった場合、作業のための車がマンションの敷地内に入れない可能性もあります。

そうなると予定していた作業が滞り、マンション全体に大きな迷惑をかけてしまいます。

場合によっては消防車や救急車など、急いで現場へ駆けつけなければならない車の邪魔になる可能性も考えられます。

また、住民の避難の妨げになる可能性も考えられるでしょう。

実際問題として、夜間にはヘッドライトや騒音による迷惑も生じるかもしれません。

無断駐車を見つけた際は管理会社や管理組合役員へ連絡を

もし無断駐車を見つけたら、速やかに管理会社や管理組合役員に報告しましょう。

警察へ通報しても私有地のため対応してくれません。

 

無断駐車による弊害が起きる前に、気づいた人が速やかに管理会社や管理組合役員へ報告してあげるようにしましょう。

無断駐車を放ったままにしておくと無断駐車の実行犯が常連化する場合もあります。

その場合、無断駐車していた日時の記録をつけておくと、後々対策が打ちやすくなります。

「記録の一元化」という意味でも管理会社や管理組合役員に報告するようにしましょう。

無断駐車されないための予防法

マンション敷地内の無断駐車の防止・予防対策としては以下のものが有効です。

・駐車されやすい場所には、コーンや駐車禁止の看板を立てる

・駐車禁止などの張り紙やラミネートを作成して設置する

・張り紙に「無断駐車には罰金◯◯万円」など、具体的な金額を記載する

・無断駐車がおこなわれる場所に監視カメラ(ダミー可)を設置する

・悪質な場合には車両を写真におさめ、掲示板に貼付する

・駐車場には駐車を許可されている車両のナンバーを記載する

・手続きを踏んだ来客用駐車場の使用者には、駐車許可証を発行する

 

無断駐車車両の所有者が外部の方や、特定できない場合には対応が特に困難です。

かといって泣き寝入りはしたくないと思う方がほとんどでしょう。

無断駐車された日時や写真などの記録をとっておくと、法的措置に移行した場合に重要な証拠となります。

記録にはナンバープレートなど、車の特定につながるものを主に残しておくのがよいでしょう。
そのために、マンション敷地内の定期的な巡回をおすすめします。

マンション敷地内を定期的に巡回することで無断駐車の早期発見になるうえに、定期的な巡回を行っているとチラシなどを貼ることで無断駐車そのものへの抑止にもつながります。

関連記事:マンション管理組合の役員は義務?断れない?役員になるメリットなどもいっしょに解説!

関連記事:必要?大規模修繕工事コンサルタントの役割と選び方とは

実際に無断駐車された際にすべきこと

無断駐車されてしまった場合、やれることとしては、次のようなことが考えられます。

①車の持ち主が車に戻ってくるのを待って直接注意する
②無断駐車している車に警告文を残す

車の持ち主が車に戻ってくるのを待って直接注意する

自分ではなくても管理員さんなどに任せてもよいでしょう。

ただし、1対1でのやり取りだとお互い感情的になり、トラブルに発展する場合もあるため、注意する側は2名以上で対応する方が良いでしょう。

ただ、どちらにせよ車の持ち主がいつ戻ってくるか分からない状況でずっと待機しているのはなかなか困難です。
その場合は②の対処をしてみましょう。

無断駐車している車に警告文を残す

警告文に関しては無断駐車車両のワイパーとフロントガラスの間に挟むぐらいであれば問題にはなりません。

しかし、違法駐車車両に警告文をテープで貼ったり、のり付けしたりするのはNGです。

車両に汚れや傷をつけたりしてしまうと、逆に器物損壊で訴えられる恐れがあります。

また、車両の持ち主と住んでいる部屋が分かっている場合は、部屋のポストにも警告文を投函するのも良いでしょう。

実際に無断駐車された際にやってはいけないこと

仮に無断駐車の相手が常習犯であったとしても、次のようなことは絶対にしないで下さい。

・民間のレッカー会社にお願いして勝手に敷地外に車を出してしまう
・勝手にタイヤをロックして利用不可能な状態にしてしまう
・違法駐車している車の前に駐車して、車を出庫できなくさせる  など

「やってはいけないことをやって、先に迷惑をかけたのはあっちなのだからいいだろう」と思われるかもしれませんが、絶対にしてはいけません。

相手の違法行為で被害を受けたからといって、法的な手続きもなしに実力行使で自身の権利を取り返すような行為(自力救済)は、日本の法律では認められていません。

つまり「やられたらやり返す!」という考えは基本的にNGなのです。

むしろ、何か無断駐車車両に手を加えた際に「傷がついた!」などの言いがかりをつけられ、逆にこちら側が賠償金を支払わなければならない……、なんて可能性もないとは言えません。

無断駐車を常習的に行うような方なので、一般的な常識が通じないこともあるでしょう。

しかし、そういう時こそ感情的にならず、こちらが落ち着いて毅然とした態度で対処することが大切です。

いくら警告しても効果がない相手であっても、行き過ぎた対応は控えるようにしましょう。

まとめ

マンションの敷地内の無断駐車が大きな問題となるケースは、特定の人物が長期間にわたって「マンションの敷地内であれば駐車違反として警察に検挙されない」ということを知ったうえで、確信犯的に行う場合が多いようです。

こうした確信犯を防ぐ抜本的な方法は、物理的に駐車できないようにするしかありません。

それが難しい場合には、マンションの住民が無断駐車に関心を持つことが大事です。

知らない車両が駐車してあり、その場に運転手がいる場合には積極的に挨拶をするなど、コミュニティ全体が無断駐車に対して関心をもつことも有効な無断駐車の防止策と言えるでしょう。

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