マンション建て替え事例から見る、建て替えが進まない理由と実情

マンションの老朽化が進む中、「建て替えを検討すべきなのでは?」と感じている区分所有者や管理組合も多いのではないでしょうか。

しかし、実際に建て替えに踏み切ったマンションは意外に少ないのが現状です。

本コラムではマンション建て替えが進まない理由と、実際に建て替えに成功した事例を紹介しながら、マンション再生の選択肢について考えていきます。

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マンションの建て替え事例が少ない3つの理由

国土交通省のデータによると、全国の分譲マンション約713万戸のうち、築40年以上の「高経年マンション」は約148万戸に達していますが、実際に建て替えが行われた事例は累計でわずか数百件にとどまっています。

では、なぜこれほど建て替えハードルが高いのでしょうか?マンションの建て替えが進まない理由には、主に以下の3つがあげられます。

1.  区分所有者の費用負担が大きい

建て替えには、解体費用・建築費用・仮住まい費用など多額の資金が必要です。

住民一人あたり数千万円~数億円の費用負担が発生することもあり、補助金や融資制度があるとはいえ、特に高齢の区分所有者にとっては大きな負担となります。

2. 住民全員の合意形成が難しい

区分所有法の規定上、建て替えには原則として区分所有者の5分の4以上の賛成が必要です。

そのため、高齢者や資金負担が難しい世帯、住み続けたい世帯、所在不明者が多い場合には決議要件を満たすことが難しくなります

複数の区分所有者の意見や利害が異なるため、合意形成には長い時間がかかることが想定されるのです。

3. 容積率・法的制約(既存不適格問題)

高経年マンションは建築当時の法令に適合していても、現行法では不適合となる、いわゆる「既存不適格」の建物である場合があります。その場合、建て替え後に同じ規模を確保できず、専有面積が減少するケースも少なくありません。

建物の規模を大きくするなど有利な条件で建て替えができるかどうかは、容積率の緩和や特例制度を活用できるかどうかが鍵となります。

全国の建て替え件数と現状データ

国交省によると、全国の分譲マンションの総戸数は2024年度末時点で約713万戸。

そのうち築40年以上の高経年マンションは、2024年末時点で約148万戸存在しており、全体の約20%を占めているというデータが示されています。

高経年マンションの数は年を経るごとに増え続けるため、その推移として、10年後の2034年には約293万戸に、20年後の2044年には約483万戸にまでのぼると想定されています。

※国交省公表 築40年以上の分譲マンション数の推移(2024年末現在)より抜粋

その中で、2025年3月末時点で実際に建て替えを行ったマンションの累計はわずか323件(約26,000戸)、高経年マンションのわずか1.7%に留まっています。

現在までに建て替えが完了しているマンションは従前のマンションの耐震性の不足など緊急度が高く、かつ、立地条件に恵まれたマンションに集中しており、一般的なマンションではハードルが高いのが現状です。

※国交省公開資料 マンションの建替え等の実施状況(2025年3月31日時点)より抜粋

高経年マンションが増加の一途をたどる中、老朽化を防止するための維持管理の適正化や、マンション再生に向けた取り組みの強化が急務となっています。

建て替えを検討すべきタイミングと判断基準

大規模修繕の相見積もりを取る前の準備イメージ

マンションの建て替えを検討すべきタイミングには建物の物理的な老朽化だけでなく、設備の老朽化や耐震性の問題、修繕や改修を行い建物を維持していく場合の維持管理コストの増大などの観点から判断されます。

一般的に、鉄筋コンクリート(RC)造のマンションの耐用年数は60年程度、適切な維持管理を行えば100年以上に延びるとも言われております。

この年数を超えていないのであれば建て替えを検討しなくて良いのでは?と思われるかもしれませんが、上記の年数を建て替えタイミングと捉えるのは早計です。

耐用年数はあくまで建物の外側の構造の話で、給排水管や内部の設備については別途定期的に更新をしなければなりません

排水管の老朽化による漏水事故の頻発なども、高経年マンションでよく見られる課題です。

年数が経つにつれて修繕コストもかさむため、設備の老朽化が著しいマンションでは寿命を迎える前に建て替えを検討する必要があるでしょう。

建て替えの判断基準として耐震性能も重要

耐震性能も建て替えを検討する大きな判断基準の一つです。

1981年6月の建築基準法改正で、震度6以上の大地震でも建物を崩壊させないような基準が設けられ、建物の耐震性能が大幅に向上されました。

この法改正以前に建てられた「旧耐震基準」のマンションでは、今後30年以内に予想される首都直下型地震や南海トラフ地震といった大地震への備えが急務となっています。

設備の老朽化や耐震性の不足などの課題がある場合、建て替えやマンション再生の方向性について検討するタイミングとなります。

建て替えを検討すべきサインとは

以下のような問題が顕在化してきた場合は、建て替えを検討すべきサインです。

  • 大規模修繕工事を3回以上実施しており、今後の修繕費も高騰化していく一方
     
  • 修繕だけでは対応できない、基礎や柱などの主要構造部に重大な劣化や損傷が見られる
     
  • 耐震性に不安がある(特に1981年以前の旧耐震基準で建設されたマンション)
     
  • 給排水管や電気設備など、建物の設備の劣化が著しい
     
  • 資産価値が周辺のマンションと比較して大きく低下している

これらのサインが複数見られる場合は専門家に相談し、建て替えを含めた再生の可能性を検討するタイミングと言えるでしょう。

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実際に成功したマンション建て替え事例

マンション建て替えは難しいとされていますが、条件が揃えば成功する事例もあります。ここからは、異なる条件下で建て替えを実現した事例を3つご紹介します。

事例①:容積率の緩和を受け事業性を確保できたケース(東京都港区)

こちらのマンションは「マンション建て替え円滑化法」に基づく容積率の緩和の特例制度を適用

住戸面積を増やすことで、その増し床分をデベロッパーに売却し、建て替えの事業費に充てることができた事例です。約4年間の検討を経て、建て替え決議に至りました。

従前建物77戸、地上11階、築49年
従後建物111戸、地上23階 地下2階

◇建て替えの背景

老朽化の進行や耐震不足などから、築40年を経過したころから管理組合内で建て替えの検討を開始。

◇成功の鍵

特例制度の適用の許可を取得するため、組合員とデベロッパーが一体となり行政に対する働きかけを積極的に行ったこと。

事例②:床面積が減少する不利な条件でも実現したケース(東京都新宿区)

こちらのケースは、建て替え前の建物が竣工したあとに導入された日影規制に適合していない「既存不適格」のマンションでした。

現行の規制に基づき建て替えを行う場合、延べ床面積が10%以上減少してしまうという不利な条件下で建て替えを実施した事例です。

建て替えの住民の負担が大きく難しい条件ではありましたが、協議を重ね、現状を継続することのリスクについて共通認識を持ったことで、建て替えに至りました。

従前建物28戸+事務所、延べ床面積4068.49㎡、築52年
従後建物36戸+事務所、延べ床面積3560.81㎡

◇建て替えの背景

耐震診断を実施し耐震性不足が判明したあとに、東日本大震災が発生。合わせて敷地の地上権(借地権)の契約期間満了もあり、建て替えに至った。

◇成功の鍵

建物が限界に達していたことや転出希望者が多かったことから、関係者間で対話を重ね、再生の必要性についての理解を深めたこと。

事例③:耐震性の不足から建て替え実施に至ったケース(東京都港区)

最後にご紹介するのは、耐震改修工事と建て替えの比較検討を行った事例です。

まず耐震診断を実施した結果、耐震不足が判明しました。

当初は耐震改修工事と建て替えの両方を比較検討しましたが、容積率などの条件に恵まれていたことから、最終的に建て替えを選択し、成功した事例です。

従前建物65戸、延べ床面積5,101㎡、築50年
従後建物72戸、延べ床面積7,511.28㎡

◇建て替えの背景

築33年目に耐震診断を実施し、耐震不足が判明。

配管の老朽化による漏水も多発しており、修繕だけでは対処が困難であった。
改修の方向性も検討したが、耐震改修工事は約2億6000万円、修繕費が約2億円との試算結果となり、建て替えに舵を切った。

◇成功の鍵

建て替え以外の再生手法との比較を行った結果、改修よりも建て替えの方が経済的に合理性があると判断できたこと。

また、建て替え推進決議の4年前に大規模修繕工事を実施しており、建て替えの事業計画策定や事業認可など長期に渡る検討を行う間も、従前の建物の維持管理を並行して実施している。

建て替えが難しい場合の選択肢

建て替えはマンション再生の一つの選択肢ですが、さまざまな理由で実現が難しいケースも少なくありません。

容積率や管理組合の積極的な動き、専門家との協力体制など、建て替えを成功させるための鍵を揃えることは難しいのです。

そのため、マンション再生の手法として建て替えにこだわるのではなく、状況に応じて、以下のような選択肢も検討していくことが必要となります。

  • 大規模修繕や改修による延命
  • マンション敷地売却制度の活用

大規模修繕や改修による延命

修繕であれば通常建て替えほどの費用負担はありません。

マンションの構造体自体に問題がなく、設備や外観の老朽化が主な課題である場合は、長期修繕計画を見直し、優先度の高い箇所から修繕を進めることで、建物の延命を図ることが考えられます。

また「修繕」は建築当初の水準まで回復させることを指すことに対し「改修」は建築時よりも水準を上げ、グレードアップを目指すことを指します。

改修にあたるのは:

  • 耐震改修工事により建物の安全性向上
  • エレベーターの新設
  • 最新設備の設置

など、建物に付加価値を与えて水準を高めたりする手法が当たります。

このような単なる修繕を超えた改修により、建物の寿命を延ばすことも一つの保方法でしょう。

【修繕や改修のメリット】

  • 建て替えに比べて費用負担が少ない
  • 仮住まいの必要がなく、生活の継続性が保たれる
  • 全員合意が不要で、区分所有者の過半数の賛成で実施できる(※実施内容による)

しかし、良い点ばかりではありません。資金面などデメリットも存在します。

【修繕や改修のデメリット】

築40年を超えた高経年マンションでは、大規模修繕の工事項目が増え、工事費が増大します。
修繕積立金が不足するマンションも多く、必要であっても値上げをするための合意形成が難しい場合も。

また、基本構造に問題がある場合や設備配管の全面更新が必要な場合などは、修繕を繰り返すよりも建て替えの方が経済的な場合もあります。

そのため、必ず建て替えや修繕など各手法の試算と比較が必要です。

また、修繕や改修により建物を使い続ける選択をした場合も、いずれは寿命が訪れ、取り壊さなければならないタイミングが来ることにも注意が必要です。

マンション敷地売却制度の活用

敷地売却とは、建物や敷地を一括してデベロッパー(※1)などに売却することです。通常は民法に基づき全員合意が必要ですが「要除却認定(※2)」を受けた場合、5分の4以上の合意で実施が可能です。

デベロッパーなどに敷地を含めた権利を売却したあとは、区分所有者で分配金を得たうえで、区分所有の権利関係を解散するという流れになります。

【敷地売却のメリット】

  • 金銭化までの期間が建て替えに比べて早い
     
  • 金銭化を行ったあと、住み替えやマンションの買戻しなど、権利者の選択肢が増える
     
  • 買受人であるデベロッパーが、マンションに限らず土地を有効活用できる

敷地売却は建て替えが経済的に難しい場合や、立地を生かして資産価値を最大化したい場合に有効な選択肢となります。

また、敷地売却を実施したマンションは要除却認定を受けるケースが大半であることから、建物の物理的な劣化が進行し、対応にスピード感が求められる組合で実施されているケースが多いというのも特徴です。

※1 土地や街の開発事業者のこと。

※2 「耐震性の不足など、生命への危険性があるもの。または生活インフラが不十分なマンションのうち、簡易的な修繕で改善することが困難で、除却が合理的な選択肢の一つである」という認定のこと。

建て替えをサポートする制度と相談窓口

マンションの建て替えは区分所有者の負担や合意形成の難しさから、専門的な知識と外部支援を受けながら進めていくことが一般的です。

国や自治体では耐震改修や建て替えに関する補助金制度や融資制度が整備されています
そのため、条件を満たせば数百万円単位の助成を受けられる場合もあります。

しかし、制度の適用条件や手続きは複雑で、管理組合だけで判断するのは困難です。

専門家による相談窓口を活用することで、資金計画や合意形成の進め方、法的リスクへの対応などを総合的なサポートを受けることができます。

「どの制度が使えるのか」「どの手法が最適なのか」を早い段階で確認し、後悔のない判断をするためにも、まずは相談から始めましょう

補助金・融資制度の活用方法

マンション再生にはさまざまな公的支援制度があります。主なものには以下のようなものがあります。

耐震診断・耐震改修の補助金自治体が実施する制度で、耐震診断費用や耐震改修工事費の一部を助成
 
東京都渋谷区の例:
耐震診断費用の2/3(上限300万円)
補強設計費用の2/3(上限300万円)
耐震改修工事費用の2/3(上限2,000万円)
※2025年11月現在
住宅金融支援機構の融資制度「まちづくり融資」
建替組合・敷地売却組合の建設工事費、調査設計計画費などの事業費に対する融資や、負担金の捻出が困難な高齢者に対する返済負担を軽減の特例制度など
税制優遇措置建て替えで非収益事業として得た所得は法人税・事業所税などが非課税に
 
建て替えで新たに取得する住宅に対する不動産取得税の軽減措置など

これらは自治体や制度により条件が異なるため、早い段階から情報収集し、自分たちのマンションに適用できる制度を把握しておくことが重要です。

専門家による建て替え相談

マンション建て替えは専門知識が必要で、管理組合だけで判断するのは困難なことも多い、複雑なプロセスです。

以下のような専門家に相談し資金計画や合意形成の進め方など総合的なサポートを受けることで、円滑に進めることができます。

◇公的な相談窓口

  • 地方公共団体や自治体のマンション再生相談窓口
  • マンション管理センターの相談窓口

◇民間の専門家

  • マンション管理会社
  • デベロッパー
  • マンション再生のコンサルタント
  • マンション管理士
  • 一級建築士
  • 弁護士(区分所有法に詳しい方)

多くのマンションではデベロッパーに相談することが一般的ですが、建て替え以外の選択肢も検討したい場合は、中立的な立場からアドバイスを受けられる専門家に相談するのがおすすめです。

マンションの建て替えに関連する質問

マンションの老朽化が進む中「いつ建て替えるべき?」「どのくらい費用がかかる?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ここでは、建て替えを検討する際によくある質問と必ず押さえておきたいポイントを整理します。

マンションは築何年で建て替えるのが一般的ですか?

東京カンテイによると、建て替えを実施したマンションの平均築年数が全国で40.3年、東京都内で42.1年となっています。

東京カンテイプレスリリース 建て替えられたマンションの寿命は全国平均33.4→40.3年に伸びる(2022年10月31日)より

建て替えは、築40年を超えて、耐震性不足や修繕費の増加、設備の老朽化などが目立ってきたタイミングで検討を始めることが多いですが、マンションごとの建物の状態や立地条件、住民の意向によって適切な時期は異なります。

まずは建物診断や専門家による調査を行い、マンションの現状を正確に把握することが重要です。

マンションの建て替えにかかる費用はいくらくらいですか?

マンションの建て替え費用は、立地条件、規模、新しい建物の仕様、工法などによって大きく異なりますが、数千万円から1億円以上になるケースもあります。

建て替えの事業費には、以下のような項目が含まれます。

  • 解体費用
  • 設計費用
  • 建築工事費用
  • 各種申請・許認可取得費用
  • コンサルタント費用

加えて、建て替えの事業費以外に、建設期間中の仮住まい費用や引っ越し費用が発生します。

建て替え件数が少ないという点についても触れましたが、区分所有者の費用負担が大きいことが主な理由の一つとなっています。

費用負担を軽減するためには建て替え後に住戸数を増やし、販売の収益を事業費に充てることができるかどうか、補助金や融資制度を活用することができるかどうかなどの確認が必要です。

具体的な費用については、専門家による詳細な調査と計画策定が必要です。マンションの状況に応じて専門家に相談することをお勧めします

関連コラム:マンション建て替えの1住戸ごとの費用負担は◯◯円!建て替え以外の選択肢についても解説

建て替えはどのように進めれば良い?

マンションの建て替えは長期にわたる大規模プロジェクトで、検討開始から建て替えが完了するまでに8年から10年以上かかる場合もあります

また、建て替えの実施には原則5分の4以上の賛成が必要で、合意形成にも時間を要します。

多くの区分所有者が初めて経験することであり、専門知識も必要となるため、早い段階から検討を進めることが重要です。

建て替えの一般的な流れは次のとおりです。

【STEP1】 準備段階

建て替えは住民の暮らしに関わる大きな決断で、合意形成には時間を要します。
住民全体の理解を得て、あとで出戻りが生じないようにするためにも、まずは情報収集と組合全体で議論を進めていく土台作りをすることが重要です。

◇実施内容:

  • 建物の現状確認(修繕履歴、耐震診断など)
  • 都市計画の規制など、建て替えに関する基本的な情報収集
  • 勉強会や住民アンケートの実施
◇ポイント

住民の暮らしに関わる大きな決断となるため、組合全体で議論を進めていく土台作りが重要です。

早い段階から情報共有と合意形成に努めましょう。

【STEP2】 検討段階

検討段階では、より具体的に各再生手法について比較検討を行います。

費用や期間、住民の意思などを総合的に評価し、どの方向性で検討を進めるのが良いかを検討し、最終的には普通決議による建て替え推進決議など、再生方針の合意を取っていきます。

◇実施内容:

  • 建て替え以外の選択肢(改修、敷地売却など)との比較検討
  • 建て替えなどの概算費用の算出
  • 建て替え(再生)検討委員会の発足
  • 建て替え(再生)推進決議の実施
◇ポイント

理事会では日々の管理運営業務を担っているため、建て替えの検討に十分な時間を確保できるよう、理事会とは別に「建て替え検討委員会」を設置することも有効な手段です。

また、建て替えの概算費用の算出には設計図の用意や詳細な確認が必要のため、場合によっては数百万円の費用が掛かるということにも留意が必要です。

【STEP3】 計画段階

STEP2で再生の方針が決まったら、具体的に建て替えの事業計画や資金計画を策定します。

最終的には建て替え決議を実施しますが、5分の4以上の賛成が必要で決議のハードルが高くなるため、丁寧に進めていく必要があります。

◇実施内容

  • コンサルタント、設計事務所、デベロッパーなどの選定
  • 具体的な事業計画・資金計画の策定
  • 区分所有者に対する説明
  • 建て替え決議(4/5以上の賛成が必要)
◇ポイント

建て替え決議に向けて、丁寧な説明と合意形成が重要です。
必要に応じて個別面談を行い、住民の不安や要望に対応しましょう。

【STEP4】 実施段階

この段階で、いよいよ建て替えなど実際の工事を実施していく段階となります。

◇実施内容

  • 建替組合の設立
  • 権利変換計画認可の取得
  • 建物の明け渡し
  • 仮住まいへの移転
  • 解体工事
  • 新築工事
  • 再入居
◇ポイント

建て替えの事業は建て替え前のマンションの管理組合ではなく、建替組合として実施していくこととなりますが、実際の事業はコンサルタントやデベロッパーの協力を得ながら進めていきます。

このように、建て替えは合意形成や手続きなど、さまざまなステップを経て実施していく一大プロジェクトです。

合意形成の難しさなども建て替え実績が少ない理由の一つですが、2026年の区分所有法改正によりマンション再生の選択肢が広がります。

また、所在不明区分所有者が議決権の母数から除外される新たな規定も設けられ、これまで難しかった合意形成が進めやすくなるでしょう。

関連コラム:2026年の区分所有法改正で何が変わる?改正の背景や影響を徹底解説

このように選択肢が広がる中で、自分たちのマンションに最適な再生方法を選ぶためには、中立的な立場から複数の選択肢を提案してくれる専門家に相談することが望ましいでしょう。

事例から学び、専門家と一緒に最適な選択を!

マンションの建て替えは、区分所有者全体の大きな決断です。
成功事例から学ぶことも大切ですが、それぞれのマンションには固有の条件や課題があります。

マンションごとのニーズや区分所有者の意見に基づき、建て替えだけでなく、修繕・改修による建物の延命や敷地売却など、さまざまな選択肢の中から最適な方法を見つけることが重要です。

2026年の区分所有法改正により、マンション再生の選択肢が広がります。この機会に、マンション再生について専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

三菱地所コミュニティでは、管理組合向けの再生コーディネート業務を行っています。

区分所有者の皆様向けの勉強会開催から資金面のシミュレーション、合意形成支援まで、管理組合に寄り添った中立的な立場でサポートいたします。

三菱地所コミュニティが管理業務を受託していないマンションでも対応していますので、お気軽にご相談ください。

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